「今、あるもの」を大切に。
恋愛や結婚に限らず、人と人の関係は出会いと別れの間の、ほんの短い狭間にあります。
数ある人のなかで、縁あってこその出会いであり、その貴重な出会いもいつかは別れという終焉を迎えることになります。
どんなに仲睦ましく暮らしてきた夫婦でも、どちらかの死で別れを迎えざるえない。
そういうことは出会いが奇跡的なもので、別れが宿命的であると思わざる得ません。
だからこそ、お互いがつきあっていられる「今」を大切にしてほしいと思います。
そのような人間関係において、失敗とか成功とか、軽々しく断定できるはずがない。
だから好きな人と別れることになっても、それを「失敗」などと考えなくてもよいのです。
別れはとても悲しく、せつないこと。その辛さゆえに相手を憎んだり、自分の取った行為を許せなくなったりすることがあるかもしれない。
けれどもそんな辛い時期も、これから続いていく長い人生から見ればいっときのことです。
ひとつの恋愛の終わりを、人との別れを「失敗だった」と切り捨ててしまうのではなく、その間に味わった充実した時間をありがたく思える人になりたい。そんな人には、きっとまたステキな出会いが待っているでしょう。
交際終了を告げられた人の中には「いままで貴重な時間を有難う。とても楽しかったです。宜しくお伝えくだい」。
とコメントをくださる方もいらっしゃいます。
決して一人では味わえない楽しさ、喜びを与えてくる人との「今」を見てください。
話はだいぶ逸れますが、昨日の朝、ふと台所のガラスの天窓を見上げたら、澄みわたった青雲が私を見下ろしていました。
あまりの美しさに絶句。
私は今まで何十年もこの台所に立ち、これほどまでの経験をしたことがあるか?
いや、ない。毎日慌ただしく台所に立ち、眼下のことをこなすことが精一杯で「上を見上げる余裕」などなかった。
「あるべきものが当然のようにそこにある」 ただそれだけで、そこから差し込む感動的な光に身を任すことなど露も考えなかった。
「そこにあるこの上もなく大切な物」。 ないがしろにしていた物、事、が他にもいっぱいあったのではないか。
いろいろ振りかえり感傷的になりますが、だからこそ、これからは「今、あるもの」を慈しみ大切にしょうと思っています。