夫婦といえども。
「夫婦だから隠し事なし。 なんでも話せる関係が理想です。」
そうですね。 理想は理想でよろしいのですが、その前にあかの他人なのです。
夫婦であろうと恋人であろうと、友人であろうと、まずは他人。 そこのところをよく考えねば。
生活習慣も、性格も違う。男女という性別の違いから考えかたも微妙に違うこともあります。
そんな二人がひとつ屋根の下で暮らすことは容易なことではないのです。
一緒にいる時間が多いほど、誤解やトラブルも生じやすくなります。
「人の世」である限り、人間関係の摩擦はついて回る。
それを少しでも円滑にするには、車を安全に運転するために車間距離が必要なように、人と人の間にも「人間距離」が重要とあるかたに教わりました。
相手との同化を願う心と独立した一人格でありたい心。両社のバランスを保つためには、適度な関わりと適度な隔たりが欠かせないとも教えられました。
「相手のことは全て知りたい。私のことも知ってほしい。」では、いつか共倒れになってしまいます。
結婚をためらう男性の中には、常に同じ空間にいることが耐えられないというかたがいます。
しかし、上手に距離を置き、「夫婦だからと」という呪縛を解けば、そこにはほどよいコミュニティーが作れるはずです。
「近くて遠い人」と悲劇の主人公の言葉が出るのは、最初の土台作りを誤ったからです。
決して隠しごとをすることを推奨しているのではありませんから。 誤解のないように。
軸となるものがしっかりしていれば、そんなにずかずか入っていかなくても大丈夫ですよ。